股関節が痛い、という症状の方が一定数います。

　特に女性の方に多いような印象を受けます。

　年を取って足腰が弱くなってきた方、体が硬い方、スポーツなどで痛めてしまった方。そういう方が多いのですが、その中でも「無理なストレッチ」「間違ったストレッチ」で痛めてしまう人も多いです。

　体を柔らかくしたり、毎日ストレッチや運動をすることはいいことです。でも痛めてしまたら元も子もありません。体に負担がかからないように、痛みや刺激が強い場合は加減するなど、「体と相談して」行うことをおすすめします。

　股関節を痛めると、足や腰、その周辺一帯が損なわれることがありますので、より注意しましょう。　

　そもそも股関節とはなにか。

　簡単に言うと、腰と足をつなぐものです。専門用語で「大腿骨」「骨盤」をつなぐもの。

　大腿骨は太ももの骨、骨盤は腰の骨です。

　どちらも大きく、体の中でとても重要なところです。

　これらをつなぐのですから、股関節の働きの大きさは想像できるでしょう。

　さらに、この大きな部位をつないでいるために、股関節そのものに設置されている「球関節」という丸い関節はとても強靭に作られています。さらに可動域（動かせる範囲）も広く、まさに「歩く」「座る」「立つ」という基本的な動作を支えてくれているのです。

　つまり、それだけ負担も大きいということです。もしこの股関節が損傷したら、日常に大きなダメージが出ます。

　人間の足は二本ですが、実はこれはとてもバランスがとりにくいのです。

　最近はゲームなどでも、バランス感覚を競うものが出てきていたりしますが、どちらか片方に体重をかけていませんか？

　カメラの三脚などを思い浮かべてほしいのですが、構造的に三本足だときれいにバランスがとれます。二本だとどうしてもどちらかに偏りがち。こういうことが、重なって股関節へのダメージにつながる場合があります。

　もし股関節以外の部分にけがを負った場合、どうしてもその場所をかばったりしてほかの部分でバランスを取ろうとします。こういうことから、股関節に負担がかかることがあります。

　また肩こりがひどい人なども要注意です。肩の痛みを緩和するために、ついどちらかの肩を下げたりして、上半身の姿勢が崩れることがあるのです。これを補正するために、腰や股関節が活躍することがあるのです。

　体は「全体」として生活しやすいように色々自身で補助してくれるのですが、行き過ぎると具合が悪くなります。

「股関節」の話題は後編へ続きます。